血糖値が高いとどんな症状が出る?|自覚症状が出ない場合も多い

高血糖の症状アイキャッチ画像

血糖値とは、私たちの体内に存在するブドウ糖の濃度を指します。健康な人では、インスリンというホルモンが血糖値を調節していますが、このバランスが崩れると血糖値が異常に高くなることがあります。

この記事では、高血糖がもたらす様々な症状に焦点を当て、それらをいち早く認識し、適切な対処をするための情報を提供します。

高血糖は放置すると重大な健康問題につながるため、その早期発見と管理が極めて重要です。

高血糖の初期症状

多尿

高血糖の最も一般的な症状の一つが多尿です。血糖値が正常範囲を超えると、体は余分な糖を尿として排出しようとします。これが原因で、頻繁にトイレに行く必要が生じ、特に夜間に頻繁に起きることがあります。尿は黄色や褐色に濁って泡立ち、果物のように甘い匂いがします。

口渇

多尿によって体内の水分が失われるため、強い口渇を感じることがあります。この症状は、血糖値が高いときに体が求める水分補給のサインとして現れます。

異常な疲労感

高血糖により体のエネルギー変換効率が低下すると、普段の活動でも異常な疲労を感じることがあります。これは、細胞が必要なエネルギーを効果的に利用できないために起こります。

これらの症状は初期段階であり、見逃されがちですが、早期に気づくことで適切な治療を受ける機会を得ることができます。

進行した高血糖の症状

視力のぼやけ

高血糖が続くと、目の水晶体に影響を与え、視力のぼやけが生じることがあります。これは、血糖値の上昇が目の中の液体のバランスを崩し、光の屈折に影響を与えるためです。この症状が放置されると、糖尿病性網膜症などの深刻な目の疾患に進展する可能性があります。

頭痛

血糖値が高い状態が続くと、頭痛が頻繁に発生することがあります。これは、体内の血糖レベルが一定しないため、血流や脳の代謝に影響を与えるためです。また、高血糖によって脱水症状が引き起こされ、それが頭痛を悪化させることもあります。

体重減少

意図しない体重減少も高血糖の進行症状の一つです。高血糖の状態では、体は必要なエネルギーを得るために脂肪や筋肉を分解し始めます。その結果、体重が急激に減少することがあります。この現象は特に、インスリンが不足しているタイプ1糖尿病の人々に見られます。

これらの進行した症状は、高血糖が長期間にわたって続くことによる体への負担を示しています。早期の対応が非常に重要です。

長期的な高血糖の影響

神経障害(ニューロパチー)

高血糖が長期間続くと、神経にダメージを与えることがあります。この状態を糖尿病性ニューロパチーと呼びます。主な症状としては、手足のしびれや痛み、筋力低下などが挙げられます。特に足に影響が出やすく、重症化すると潰瘍や感染症を引き起こすことがあります。

腎臓障害(ネフロパチー)

腎臓は血液をろ過する役割を担っていますが、高血糖が続くとこの機能が低下します。糖尿病性ネフロパチーは、腎臓の微細血管が損傷を受けることで発症します。初期段階では自覚症状が少ないため、発見が遅れることが多いです。進行すると、透析が必要になる場合もあります。

心血管疾患のリスク

高血糖は心血管系にも重大な影響を及ぼします。血管の内壁がダメージを受け、動脈硬化が進行しやすくなります。これにより、高血圧、心臓発作、脳卒中などのリスクが高まります。糖尿病患者は、これらの心血管疾患の発症リスクが一般の人よりも高いとされています。

これらの長期的な影響は、高血糖がもたらす深刻な健康問題を示しています。継続的な管理と予防が重要です。

結論

高血糖は、日常生活において見逃されがちな初期症状から始まり、放置すると深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。

多尿や口渇、異常な疲労感などの初期症状に気づき、早期に対処することが重要です。また、視力のぼやけや頭痛、体重減少といった進行した症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診することが必要です。

長期的な高血糖は、神経障害や腎臓障害、心血管疾患など重大な合併症を引き起こすリスクが高いため、日常的な管理と予防が不可欠です。

タイトルとURLをコピーしました